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<第3回>

 最後に、若い教職員に送る、エールとメッセージをお聞かせください。


☆教師自身の「興味・関心・意欲」を!

 突然ですが、教師は雑学を学ぶべきだと思います。物知りであるべきです。つまり、豊かな情報を持つということ。まずは自然のことからでも。子どもの疑問にはすぐに答えられるような先生になりたいものです。雑学を知っている先生は強い。それに、「先生、この花の名前なんていうの?」と聞かれて、すっと答えられたら気分がいいものです。雑学を身に付けたら、子どもたちとの会話がすごく膨らみます。
でも知らないことを聞かれたら、または子どもが書いたことが本当なのかと思うようなことがあった時、そんな時は正直にちょっとだけ時間をもらいます。
 自分がよく知らないことはそっと調べてみる。子どもが書いてきた文章の通りだったなら、この子は嘘を言ってないなとわかる。先生が知らなかったら、子どもにおかしいと指摘できないでしょう。「これ、どう考えてもおかしいで」「なんで、こうなる?」「先生が調べたら、こうだった」と伝える。すると、「ちょっと待って」と言って、子どもはまた調べ直したり、確かめて文章を書き直す。それが推考です。
何よりこれは、この先生には嘘は言えないなという関係の上で成り立つことです。教師が子どもの文章をいい加減に読むと子どもたちもそれを察して、子どもたちもいいかげんに書く。先生が真剣に読めば読むほど、「なんかここおかしいで」「まちごうてないか」「こうなるはずなのだけど」と指摘されないようにと、真剣に物事に接し、正確に書こうとする姿勢が子どもにも育つ。そういう姿勢を作っておいたら、子どもたちは教師が知らない様々な経験をした時でも、そのことをありのままに、ていねいに書くようになります。そういう子どもを育てたいではありませんか。
 そのためにも、教師は率先して、自然について、社会の出来事について、政治の状況について、様々な情報を身につけるべきです。ちょっと調べてみようかという姿勢を、教師の側も、興味・関心・意欲を持ってほしいと思います。そんな姿勢が、子どもたちに伝わるのだと思います。

子どもとの関係を見つめ直すために対話を

 子どもと、その生活を誰よりも知って、その上で、子どもと自分との関係をいつも見直すということを心がけてください。そのためには、もっと、もっと、子どもたちと話せばといいと思います。「最近何かおもろいこと、珍しいことはなかったか?」「話したくないわ、と思ったことはなかったか?」と。「そんなことがあったのか!」「そんな生活をしているのか!」と、そういう会話を目の前の全ての子どもたちとしてほしいなと思います。そのことで、教師自身の一人ひとりの子ども観も変わっていくことでしょう。
 今、文章ができないからといってあせる必要はありません。文章は、徐々にうまくなればいいと思います。まずは子どもをじっくり育てることです。
 ゆったりと時間の流れる学校を作りたいなあと思っています。授業中は、教科の学習をみっちりと。でも放課後は、子どもたちとゆったり自由に過ごす。先生は何しているのかと聞かれたら、教室で子どもとつづり方を書いています。校区をまわっています。家庭訪問をしています。誰かにそう伝えてもらう。そういうのが私は、すばらしい学校、子どもと教師の関係だと思っています。
 三十数年前私が教師になりたての頃、子どもにザリガニのたくさんいる場所を教えてもらった日の放課後は、仕事を終えるなり急いで自分もザリガニ釣りに行ったものです。先に来ていた子にちょっと場所を譲ってもらって、いっしょにザリガニを釣りました。ふだん学校では聞けない、いろんな話をしながら。釣ったザリガニは、明くる日の理科と図工の教材にもなりました。今はなかなかそんなこともできなくなりましたが。
 若いみなさんは、どんな子どもと教師の関係を作りたいですか? その理想を可能にするのは、まぎれもなく、生活つづり方のあるクラスです。

☆あせらず、とどまらず、解放教育実践を!

 解放教育の大きな目標の一つは学力保障です。その学力の根幹には文章表現能力があると断言します。つまり、文章表現能力というのは、子どもたちを様々なとらわれから解放するための学力そのものだということです。文章を書くことで、ものの見方、考え方を磨き、確かめ、認識にまで高めていくという、生活つづり方のその方法こそが人権総合学習、部落問題学習を進めるにあたっての重要な方法の一つだということです。
 もちろん文章表現指導だけで人権総合学習、部落問題学習が完結するなどと言うつもりはありません。文章を書いていたら部落問題学習ができたとそんなことあるはずはありません。そもそも解放教育と生活つづり方とは別のものです。ただ、人権総合学習、部落問題学習を進めるためには、並行した文章表現指導をどうしても行なわないといけない。そういうことです。子どもに寄り添い、その子どもの認識過程をどう構築していくかを目標にしている解放教育にとって生活つづり方はなくてはならないものなのです。
子どもはどんどん成長し、世の中、社会も変わっていきます。それに伴い、つづり方の作品もどんどん生み出されていきます。その子どもの作品をもとに子どもの事実をとらえ、子どものことを考えていこうというのが解放教育です。ですからこの仕事に限っては、ここまでできたら終わりというのはありません。
 どうか、いつも目の前の子どもに寄り添う教職員になって下さい。

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このページでは生活綴り方についての理解を深めるために、実践的な理論と考え方を紹介します。連載のかたちをとることが多くなります。
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